2025/02/13 14:48

人類最古の繊維とも呼ばれる麻。
紀元前のエジプトで使われていた証拠もありミイラの製造の際に利用していたほど。
また日本でも縄文時代から利用されており人々の生活に最も身近な繊維でした。(どのようにして麻を使うようになったかはまだわからないそうですが)
ちなみに運命の赤い糸は日本最古の歴史書『古事記』の「三輪山伝説」から来ており、赤土がついた麻糸をたどっていくと運命の相手が特定できた、という大麻から作られた糸がモチーフにされています。諸説ありますが。
また、大麻は今ではネガティブな印象があるかと思いますが、もともと日本で栽培・活用されていた大麻はTHC(悪い成分のこと。依存性があり気分が気持ちよくなる成分)が少なく、依存性や中毒者が出るような使い方はそもそもされていません。
昔の飛鳥、奈良時代では大麻は罪や穢れを祓う聖なる植物として、お札や神社の鈴緒、巫女の髪紐、お盆の迎え火など、神事と関連してあらゆる場面で利用されてきたので、今の印象とは真反対なイメージ。

※イメージ画像。麻でできた注連縄(しめなわ)や鈴緒(すずお)
縄文時代から日本では繊維として、洋服や建材や軍事用品や日用品に使われてきた大麻。
何故需要があったかというと大麻は特に肥料など使わなくても育ち、しかも成長スピードがとても速い。4か月ぐらいで3~4m 程に成長してしまうという逞しさ。
しかもこの大麻、全部使えるんですよね。
茎は糸にしてロープや洋服に、葉っぱは医薬品や肥料に、種は食用油や化粧品として…
これほど楽で使いやすい植物ないですよね。

麻の茎の繊維(User:Natrij - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2304060による)
先に結論を書くと、大麻の扱いが変わってしまったのは敗戦後のGHQ指導のもと「麻薬取締規則」によりその生産が厳しく制限されたから。
この時、GHQは日本から大麻を”絶滅”させようとしていたそうです。その後規則の改定、廃止を経て、大麻の栽培は免許制となり、絶滅は避けられました。(この時のGHQ側との交渉を日本人の誰が行ったんでしょうね。そうゆう人にこそフォーカスを当ててあげてほしいと思いますが。感謝)
なぜ大麻がその時ターゲットにされたのかはいろんな方が考察あげてるので見てみてください。真相はわからないですが。
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さて繊維としての大麻について話を戻しますが、
何がいいかというと、そもそも大麻は冷帯・温帯・熱帯を問わず栽培可能ということとその機能性。
大麻は繊維の構造上、中が空洞になっているため吸湿、吸汗性に優れており空気を含みやすくなっている。
その影響で夏は涼しく使えて、冬は暖かいというメリットがある。※ただもちろん夏に使うような生地が詰まっていないスース―する麻の製品を冬に使うと寒いので注意。
そして引張りに対する強度はコットンの8倍、耐久性で4倍の強度を持つという頑丈さ。
大麻の袋を弾薬を入れる袋として活用されていたの納得ですよね。
また、速乾性・抗菌性もあるので汗をかくようなシーンでも汚くなりすぎないというメリットも嬉しいですよね。
基本的にどんなところでも育って、茎から葉っぱから何でも使えて、すぐ育ってくれる。自宅で栽培とかすれば洋服とかタオルを買わなくても生活できてしまいますよね。本当に。

ただそんな大麻も、現在では日本で栽培しているのは栃木県だけとなっており、非常に立場が厳しくなっています。
人間の心理というのは実に簡単で、大麻という日本の伝統文化はGHQ管理のもと80年ですっかり形が変わりました。
現在のアメリカもトランプ政権に代わりLGBTなどの多様性の価値観がまた変わろうとしています。
歴史を見ると上に立つもの、勝ったものが歴史や文化を作るということがよくわかります。
ただ歴史を知っておくと価値観が変わったときに困惑することはないはずであって、様々な情報や噂に左右されることは少なくなり、本当にいいモノや価値のあるものに意識が向くようになるはずです。
まだ日本には大麻をつかって製品を作っている会社やブランドがあり、そういった会社にこそお金が集まるべきであって、ハイブランドにあるような機能性はとくにない外見だけのステータスにお金が集まるのは不条理だとも感じます。
まずは大麻を薬物だと思っている、そんな人たちに教えていきたいですね。
改めていろんな方に見てほしいなと思うような素材、大麻でした。
以上。